2010.08.29
英語学習について

コミュニカティブな文法

 
仕事柄、文法は必要かと聞かれることはよくあります
わたしの考えとしては
「意味メッセージ(情報)を伝えるためには
せめて文単位であることが必要なので
文構造(文法)を学ぶ必要がある」
とお応えしている場面が多いです
文法を無視していると
表面的なレベルの会話から成長しません
思い当たりますね
先日、鳴門教育大学で「communicative な文法」
という講座がありました
藪下克彦先生 ありがとうございました!
コミュニケーションのための文法
とってもおもしろかったのでちょっとご紹介します
ちょっと長くなりますが
ぜひ最後まで読んでくださいね
「人と話すということは、相手の記憶のファイルを更新すること」
という考えなんです
わたしたちは情報をファイルのようにストックしているとします
あることに(ある人でもいいのですが)ついて話し出すと
その事(人)のカードがヒュッとでてきて
聞き手の情報状態を更新する
というイメージ、わかりますか?
例を示します
1と2のカードがあります
A woman was bitten by a dog.
1                               2

1 is a woman            2 is a dog
1  は女性である            2 は犬である
1 was bitten by 2     2 bit 1
1は2によって咬まれた    2は1を咬んだ   
1 hit 2                       2 was hit by 1
1は2を叩いた               2 は1に叩かれた
このように、それぞれのカードに情報が書き込まれるのを感じとれますか
このところお送りしているワンポイントレッスン
笑える英語も、まさにこの感じがつかめると爆笑、苦笑ができます
文章の訳をとればOKというのと違うんですよね
また、訳読を強要する学校英語では
すべての単語に訳を与えようとしますが
日本語に訳のない言葉もあります
a, the, it, this, that 等がよくあてはまる場合があります
たとえば
a は「一つの、ひとりのという意味」
と教えるのがそもそも間違い 
a は新しい、何も書かれていないカード1
the は  1のカードへの上書き
こんな感覚も持っていなければいけません
これは、人の名前をHe She等の代名詞にするときの感覚にもあります
話の文脈でどの接続詞をつかうか
イントネーションを上昇にしたり下降にするのは
話し手のどんな思い、思惑があるかなども
非常に面白く教えていただきました
文法書では解説されていないことがたくさんありますし
言語ですから、それは深~いものがあります
こうなってくると、SVOCや能動態、受動態だから・・・と
鵜のみに意味を訳する危険性を思います
こんなざっくり話してしまって藪下先生には申し訳ありません
つづく・・・