2012.05.05
Small Talk

室町時代から

 先日母としゃべっていると
『今日UFOがでてたよね』
と特別なんともないように云う
さすが私の母だ
実はわたしはUFOも宇宙人もみたことがある
ま、それはさておき
その母が叔母とふたりで小旅行
木屋平、三ツ木という山奥まで汽車とバスを乗り継ぎ
彼女らの実家に一泊二日で出かけて行った
帰りは「迎えに来て~」と携帯してきた

ついてみると、山に住む叔父夫婦とヨモギ団子で迎えてくれた
一息いれると
私のためにタケノコを見つけておいて掘らせてくれた
初体験!
タケノコ掘りは総合格闘技のようなもの
知恵と力と技術がいることを学んだ
なんとはなしにスパッとタケノコを収穫する叔母
山の人たちの身体能力に脱帽した
その掘りたてのたけのこの根があまりにかわいいので口にいれた
ポリポリ・・・甘い!
掘りたて限定の味だ
土の上に跪いて、体をひくくすると違う景色が見える
春の土の匂いが体中に染み渡る
まるで3次元画像が見えてしまった時の驚きに似ている
陽光にきらきら輝く若葉
緑の中でひときわ目を引く山つつじ
ここは天国に非常に近い
山歩きのときカメラを持っていなかったので
五感、六感すべてでわたしというHDに写し取ってきた
おかげでいつでも自動再生できる
今回初めて知ったこと
母の実家は室町時代に建てられたんだって!
え~!室町時代?
応仁の乱とかあったあの室町?
しらなかった・・・
家じゅうの柱、のこぎりで挽かれたものではなく
鉈で切ってつくられている

屋根はトタンで覆ってしまっているが
その下にはいまだに茅葺のわらが見える

南海地震の時家が傾いたのでジャッキで起こして
支えの柱を入れこんだらしい


三ツ木というところには
いまでも天皇家の白妙などを作って納めている家がある
昭和天皇の崩御の折も納めたらしい
古くから由緒ある村なのだ
サッシの窓がついているのがちょっと残念だけど
母がこどもの頃よく雑巾がけをした縁側

そこに座ると見渡す限りみどり

ずっと呼吸をするのを忘れてたかと感じるほど
息がす~っと入ってくる
ご機嫌な母と叔母とたくさんのタケノコや山菜を積み込んで
町に戻ってきた
山からいただいてきたつつじのオレンジが
わたしと室町から続く山の景色をつないでくれる

UFOを見るような母のおかげだ
今の家は30年程しか持たないと聞くけど
なんで500年も600年も前の家に
それほどリフォームしないで住んでいられるのだろ?
不思議がいっぱいだ