2013.01.08

書家 田村蒼空氏に学ぶ

 
大きな筆を使った書初めを体験させていただきました

これは、昨年3月
「震災で命の尊さを目の当たりにした子どもらの書を通して
多くの人に戦争や平和についても考えてもらおう」
と田村先生が企画された書道展
その田村蒼空(そうくう)氏は20数年来の知り合いです
普通サイズの筆と比べてみました

墨はバケツに2ℓ以上!

先生がやってみせてくれます


たっぷり墨を吸った筆は重い

気を集めて一気に


「さあ、どうぞ」といわれても
どうしていいのやら・・・

とてつもなく大きな
そして一点の汚れもない真っ白な紙に対峙して戸惑います
こころが静まり呼吸が整うのを待ちます
筆がまるで体の一部のように思えたら
一気に・・・とはいきませんがなんとか書き切りました

まぎれもなく、今の自分の線
これ以上もこれ以下もない

書き上げた線を見て改めて自分の思いに向き合い
胸がいっぱいになって
しばらく声も出ませんでした
白い紙に墨を使って線を引く
これ以上にシンプルな芸術があるだろうか
ここに書き手のあり方が否応なく表れる
書は宗教であり哲学であると思う
お手本はなし
「自分の線を書きなさい」と言われる
一回きりの線
こんな書をかかせてくれる場所、師は他にない
書きたい人は声をかけてください
冬の間は書かせてくれます
(暖かくなると墨がいたむのだそうです)