この旅でとても印象に残った出会いはこの大学生たち
英語を学んでいる彼らは観光客のわたしに話しかけてきました
*中学、高校では英語はほとんど習わないのだそうです
ホテルへの帰りに乗り込んだトラムの中で話しかけてきた7,8人の大学生クループ
話している様子をスマホで録画してキャッキャと笑っています
途中の駅でひとり降り、二人降り残ったのが一番手前の彼女Aya
分かれるまでの1時間半いろいろな話しをしました
シリアの内戦から逃れて家族でイスタンブールに移住してきたのだそうです
奥に座っているのはスーダンからの留学生Eiman です
イスタンブールの大学には中東やアフリカの国々から生徒がやってきます
とっても親切で明るく良く笑う女の子ですが
国の事を話す時は目に涙をいっぱいためていました
何度か内戦の中クエートに逃れたりシリアに帰ったりして過ごしていましたが
内戦が激化して家族でトルコへ移住して来たのだそうです
こちらに来て、大学をまた1年からやり直さないといけなかったのは大変だったけど
ここに逃れてこれた自分はとても幸運で感謝してると言います
友達の多くは今もシリアで大変な思いをしてるのにわたしは何もしてあげられないのって声を詰まらせます
facebookやlineは国が制限していて使えないのですって
たまにつながる電話が唯一の通信手段とは、世界に大きな課題があることを思い知らされます
イスラム教、シリア情勢、イラン、クエート
日本にいてTVニュースで聞くと遠い異国のことで
そこには人の温もりも涙も伝わってこないのですが
彼女たちの口から聞いた”シリア””クエート”という名前は非常にリアルで
胸にストレートに伝わってきました
でも、そういう彼女たちは日本の大学生とちっとも変らない
何か言っては大笑いしてとっても陽気で無邪気でかわいい
ターバンを巻いてる人とは普通に日常の話ができないようなイメージがあったのです
イスラム教の事もあまり知らないまま、原理主義的な宗教だと思い込んでいたりします
イスラム教はユダヤ教、キリスト教と同じ「アブラハムの宗教」と言われる三つの宗教のうちの一つで
神から預言者に下された教えを基本とした宗教です
その預言者にはアブラハム、モーゼ、ソロモン、イエスなどが名を連ねます
イエス・キリストは、イスラム教からみたら預言者のひとりなのですね
真実を知らないまま、知ろうともしなかったことがたくさんある
飛行機で飛べば10時間ほどなのに
伝わらない真実が実感として届くには何時間、何年必要なのだろう
そんなもどかしさを感じさせてもらった貴重な出会いでした