2009.02.09
英語学習について

英語習得のために必要なこと――こども編

よく教室でお会いする人にはお話させていただいていますが
そういえば、ブログに書いたことがなかったですね
おとなの方にも参考になるかとおもいますので
長~いですが読んでいただけると嬉しいです
understanding messages
意味理解できる英語の大量 inputにつきます(UI で使っているSSTメソッドはこれを可能にしています
言語学で世界の権威であるNoam Chomsky博士と
Stephen Krashen博士の理論をベースにつくられたメソッドです)
フォニックス、歌、チャンツは楽しいのだけど
意味、メッセージがないから言語習得にはつながらないのです
UIでは幼児さん以外のこどもクラスではできるだけ大量リスニングに時間を割きます
意味のある談話(対話より長い)レベルの英語をたくさん聞くことが大事です
繰り返したくさん聴くことが大事です
1000 input= 1 or 2output
1000学習して、実際口から出てくるのは1か2というのが現実だからです

日本の英語教育では 1 input = 1 output
ひとつ教えて、ひとつしゃべらせようとしますね
たとえば、I like apples.を教えて言わせます
動物や数の数え方を教えて言わせても
その中にメッセージはないですね
中学の教科書もそうなっています
多くの英語教室のテキストもカリキュラムもそうなっています
流れのある、意味のある塊をinputしないといけないのです
細かいところまで全部理解しなくてもいいのです
細かい冠詞や前置詞の使い方、構文の訳し方に時間をとられて
肝心なメッセージを伝えるための勉強がおろそかにされています
日本語で話すときも、言葉や文法を全部理解しているわけではなく
意味メッセージを交換しているのですよね
必要な音声認識語彙は 30000語と言われています
一方、言いたいことが言えるためには 1000語は要ります

中学の旧指導要項では800語、新では1200語、高校で1200語学びます
充分習っているのに使えない(話せない)のは
リスニングとinput量不足
音声認識語彙不足
リスニングと言えば、こどもたちの耳はうらやましいですね
こんなこと考えたことありますか
「赤ちゃんは、耳だけは完璧に出来上がって生まれてくる」
生まれたときは視力も、あらゆる身体機能もまだ出来上がっていません
しかし、耳は胎内でも骨導を使って母親の声を聞いているらしいですね
すべての周波数帯の音を聞くことができるようです
教室でも、毎日それを証明する子供たちの発音を聞いています
聞こえるから、正確に音を再現できるのです
ピアノやヴァイオリンで絶対音感が消えるまでに・・・というのと同じです
それで、英語を習うのは早い方がいいとか言われるわけです
早く始めるメリットは’音’の習得につきると思います
7才、8才となると耳は環境に馴染んで
生活の中にない音に反応しなくなるからです
母国語を習得する前から外国語を学ぶことについての是非は
議論は尽きませんね
(ジャスミンの個人的な考えは、5歳まで、せめて3歳までは
おかあさんや周りの人との母国語でのコミュニケーションをしっかりとることが何より大事
日本人として生まれてきたアイデンティティを育みます
英語はおかあさんといっしょに触れる程度でいい
というのが今の考えです)
リスニングは英語の4技能の一つと考えられていますが
実は、技能というよりエンジンだと昨日のセミナーで話した言語学者が言いました
Listening fuels the SLA engine.
リスニングはSLA (第2外国語習得)エンジンのガソリンである
Listening and Reading build learning.
リスニングとリーディングが学習を実現させる
というわけで、こどもはもちろん
おとなになってしまった方たちも
意味理解できる英文をたくさん聞いたり読んだりしましょう

…平たく言えばそういうことです
で、最後にお母さまやお家の人へのお願いです
無理に英語をリピートさせようと促したり
「英語で何ていうん?」「言ってみて?」
と言わないでいただきたいのです
リスニングでinputが増えると、勝手に発話し出します
発話しないのはinput量が足りないのです
じっくり待ってあげてください

もうひとつ、教室では発話が活発に出ている子がお家では何も言わないのは、
日本語環境のなかで英語を話せと言われても戸惑うからです
outputできるのか試したくなる気持はとてもわかります
でも、自然に出てくるまで、楽しみに待っていてください
出ている子供がた~くさんいます
お願いします